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2019/02/02 00:40


★★★あれはどこの丸窓★★★

丸窓ってしゃれてますよね。
いつだったか、京都を散策してる時に、名前も憶えていない小さなお寺を訪れて、
そこの、これまた小さな池のはたの、「お休み所処」で座っていました。
ふと見ると、そばに丸くくり抜いた窓があり、そこから池と紅葉が見えました。
ちょうど「紅葉さかん」の頃で、決して大きくはないけど丸く切り取られた構図は、日本画のようで。
「丸窓の額縁」の真ん中あたりに、池の中の「小さな島」が位置しているのですが、
そこに、ちょうどシロサギが立っていました。
じっとしてて動かない。
池にキラキラ、光が反射していました。
この景色を見せるために、この位置にこの角度にこの大きさの丸窓を作ったのかな~、なんて、
友達と感心してました。
なんでもない平凡な風景が、「借景」のおかげで名画のように響きます。

だいぶ年月が過ぎて、また京都の、「実相院」に行く機会がありました。
そこにも大きな丸い窓があり、見事な借景に感嘆したのですが、そこは観光でも超有名なところ。
窓のむこうの景色も、季節に合わせていつも美しく手入れされているのでしょう。
いつまでもいつまでも眺めていたい「完璧な絵」でした。
四角い窓でもいいのですが、丸い窓というのは、なぜか惹き付けられます。
その「丸=円」が、宇宙的な世界を連想させるから?
その後も、丸い窓があると必ず目を奪われ、のぞきこむようになりました。

「丸窓小雪」は、2019年の年賀状用に。。。と最初考えていました。
こたつから眺める「借景」は、白い世界で音もなく、
窓のこちら側はあたたかな、にぎやかな世界にしようと思いました。
日本独自文化の「こたつ」絶対に入れる!
ミカンも入れる!
猫も入れる(笑)。
年賀状なので、おめでたい「南天」をどこかに使いたく、
鮮やかな南天の赤と、雪の白、そこに合うように背景は渋い銀鼠色(ぎんねずいろ)、と
シックな「和」の配色にしました。
でも配色を考えているうちに年末が来てしまい(笑)、間に合わず、新年第一作目の版画になりました。
「和」なので、色紙用の額に入れると合うかな~、と考えています★